アジアの料理な話-中華鍋編①-
新しくはじめます「アジアの料理シリーズ」第一弾。
今回は一人暮らしの強い味方、「中華鍋」について書いていきますよ!
中華鍋とは
中華鍋(ちゅうかなべ)とは、中華料理に使われる鋼製の丸底鍋。中国以外では東南アジアや日本でも広く使用されている。
(wiki参照)
上記した通り、日本以外でもインドネシア・フィリピン・マレーシアでも似たような鍋は広く普及しています。
製造の単純さ(プレスに限ったことですが)と、安価に作成できること。
頑丈で手入れが楽(後述します)な仕様が屋台文化の強いアジアの環境に合ったのでしょうね。
因みに、中華鍋には大きく分けて3種類がありまして
中華鍋の種類
・北京鍋
片手で最もオーソドックスな形です。アジアで広く普及しているのもこのタイプですね。
フライパンによく似た形状ですが揚げ物・煮物・炒め物をはじめ、蒸篭を使えば蒸し物も作れる万能調理器具!
深さもあり、コツさえつかめば簡単に鍋が振れる為、意外にもカラオケや中華の関係ないフランチャイズ系のお店でもよく見かけます。
一般家庭で広く普及しているのも、この北京鍋ですね。
・広東鍋
何といっても両手の取っ手なのが特徴的な鍋ですね。
北京鍋と比べ浅い分、鍋の中心と外側で火の回りにムラがあるので、それを上手く利用した調理が可能です。
鍋を振る際も、取っ手が鍋に近い分少ない力で行えるため北京鍋に比べ大きいサイズの展開が多いですね。(そのせいか、映画やアニメで盾のような扱いをされているのもこの鍋がダントツのような気がします。)
中国でも大きな飲食店だとこちらの鍋を使用しているケースが多いです。
・四川鍋
見た目はほぼ広東鍋と同じなので、お店でも同じくくりにして販売していることがしばしばある鍋です。
広東鍋と比べ深さがあるので煮物や揚げ物に強い鍋です。
広東鍋同様、両手の取っ手なので軽い力で鍋が振れます。
日本だと四川鍋≒太極鍋のイメージが強いので勘違いされがちですが、従来はこの様な姿です。
汁物が得意な為か、大きいものだと2メートル越えの鍋もあるみたいです。
この3つがあります。
素材は総じて鉄が多いですが、近年では軽くて熱伝導性のいいチタンや手入れの楽なテフロン加工がされた物も販売されるようになりました。
最後に、「なぜ素材に鉄がよく使われているのか」をお伝えして今回は終わりにしましょう。
中華鍋に鉄が選ばれる理由
・安価
よく見かける金属で言えば
・・・鉄<ステンレス<アルミ<真鍮<銅<チタン<銀<金・・・・
という感じで高くなります。
・熱伝導率の高さ
・・・ステンレス<チタン<鉄<アルミニウム<金<銅<銀・・・・
といった感じですが、アルミニウム・チタンなどは鍋に加工する場合、軽さ重視で薄くしているので、比較的に鉄の順位は上がりそうですね。
・酸化被膜による手入れのしやすさ
酸化被膜・・・要するに錆です。
ただ、よく見かける赤錆(酸化鉄(lll)Fe2O3)ではなく黒錆(四酸化三鉄(Fe3O4))という、剝がれにくくそれ以上の腐食が起きにくい錆を油を熱することで表面にコーティングしてしまうことで、腐食に強い鍋を維持できます。
・油膜の形成がしやすい
鉄はもともと炭素が含まれた油馴染みが良い物質です。
(工場などでは油の吸着に鉄の粉を使うところもあるほどです。)
この特性を利用して、油を幾層にも鍋肌にコーティングすることで焦げ付きや張り付きと無縁な環境を作り出すことができます。(鍋を育てるというのはこのことを言います。)
中華鍋を洗剤で洗ってはいけないというのは、この油によるコーティングを剝がしてしまうことになるから。
長年使用した中華鍋においては、洗剤を使用しても剥がれないほどに油の層が強固になる(ポリマーが形成される)のだとか。
以上となります!
「アジアの料理」シリーズ、次回は引き続き中華鍋についてお伝えしますよ!
('ω')ノ〈お楽しみに!