アジアの料理な話-中華鍋編②-
さあさあ、今回の「アジアの料理」シリーズは前回に引き続き中華鍋についてのお話です。
中華鍋を使う上で、簡単ながらも必ず必要となる日頃のお手入れも含め、今回もいろいろと書いていきますよ!(しっかりと行えば10年20年と長い間使えるのでぜひ!)
中華鍋について、前回で種類・酸化被膜(黒錆)や素材の鉄について触れましたね。
「鍋を育てる=酸化被膜の上に油でポリマーを作る」というのは、何となしに分かって頂けたかと思います。
しかしながら、油がポリマーとなるまでにはかなりの時間と手間が必要。
これから新しく中華鍋を買おうという方でも、大事に育てるためにこれだけは抑えておきたいポイントをお教えします。
題して「中華鍋を購入したら注意すべきポイント」(まんまです)
用意するもの(必須なもの)
・スポンジ+中性洗剤
→食器洗い用のもので構いません。
油をなじませるまでの工程での洗浄ならびに、ひどく汚れてしまった(長期間使っていなかった)時にリセットも兼ねて使うこともあります。
ポリマーができてしまえば、洗剤でガシガシ洗っても大丈夫な鍋になります。
・たわし(ささら)
→油が馴染んでからはこれを使っての水洗いとなります。
育てば育つほどコゲつかなくはなってきますが、硬めのものを選ぶのが良いかと。
・乾いた雑巾やタオル
→中華鍋はその多くが柄の部分まで金属でできています。
当然火にかければ熱くなりますから、鍋つかみ代わりにこれを用います。
注意すべきは必ず「乾いた」物を用意すること。(濡れていると熱が直に伝わります。)
燃え移らないように、化学繊維のものは避けて下さい。
最近は、耐熱シリコンでできた持ち手カバーも販売されているので代用しても良さそうです。
・サラダ油
→鉄鍋は油をよく吸うので、多めに準備しておきます。
・クズ野菜
→初回の油慣らしで使います。
・キッチンペーパー
→使い始めは、油の馴染みも弱いため鍋の表面に油を塗って保管することとなります。
油ハケでもいいですが、手に入りやすいキッチンペーパーで十分でしょう。
毎回、使用時に行う油慣らし(鍋を熱し、鍋肌に油を馴染ませる行程)も少量の油で済ませるために使うこともできます。
あると便利なもの
・五徳
→従来のガスコンロの上に設置するタイプの五徳も数千円で購入できます。
もともと中華鍋の底が丸いのは、窯に合わせた構造だから。
使用することで火の回りと鍋の取り回しが格段に楽になります。
ご家庭で、本場と限りなく近い状況を作るなら五徳は必要でしょう。
・鉄製の玉杓子
→鍋底が丸いので、フィットしやすい柄が曲がっていないものが良いでしょう。
鍋と同じく使うたびに育っていき、張り付かなくなります。
炒めながら具材をカットしたり砕いたりすることも可能です。
・オイルポット
→あると最も便利な代物です。
揚げ物・炒め物もこれさえあれば同じ鍋で短時間のうちに作ることが可能となります。
キッチンペーパーのところでも触れましたが、中華鍋は毎回使用時に油慣らしが必要となります。
油慣らしの煩わしさも、これがあるのとないのでは段違いに差が出ます。
・ジャーレン(炸鏈)
→中華料理で、油通しや湯通しをした食材を鍋からすくい上げるときに使用する、鉄製で、片手の中華鍋の底一面に小さな穴をたくさんあけたような杓子(しゃくし)です。
中華料理の技として、野菜など油通し(素揚げに近いようなこと。素材全体に均一に熱を入れるために行います。)をする際に便利なものです。
ご家庭では油通しの代りに、レンジを使って具材に火を通してもOK!
中華鍋を買ってからすべきこと(時系列順)
①洗剤で洗う
→中華鍋でやってはいけないことの定番として、まずこれが上がるかと思います。
でもこれ、あくまで油をなじませてからの話。
購入して直ぐのものは、製造過程で埃や油などなど何がついているかわかりません。
このまま火にかけてしまうと、焦げ付きや異臭の原因となります。
火にかける前に、しっかりと表面の汚れを落としてやりましょう。
②空焼き
→鍋の表面がきれいになったら、中華鍋開封の儀ともいえる空焼きの時間です。
中華鍋は、工場からの出荷時そのほとんどが錆止めの薬(油)が塗られています。
そのままでは、コゲつきも酷く調理のたびに薬品が溶け出して使えたものではありません。
長時間(家庭のコンロでは30分ほど)火にかけ、薬品を焼き切ることで初めて調理器具として機能しだすのです。
中心(なべ底)から加熱し、縁までしっかり行いましょう。
目安は煙・湯気が出なくなり火にかけたところが白く変色(1円玉の色)するまで。
柄の部分は食材も触れないので焼かなくて大丈夫ですよ。
③洗剤で洗う
→焼き切ってしまったら、表面の焦げや汚れを落とすためにも熱が残っている間に洗いましょう。
(空焼き直後に水をかけると強烈に水蒸気が発生するので、少し冷ましてから行います。)
火傷には注意してください。
④油慣らし
→初回の油慣らしは、鍋の今後を左右する大事な行程です。
まず、強火で煙が出なくなるまで鍋全体を熱し、大匙2杯程度の油を鍋肌全体に馴染ませたら、適当な野菜(食べるわけではないので屑野菜で大丈夫です)を炒めます。
この段階で酸化被膜の形成と油によるコーティングが行われます。
⑤水洗い
→これからは基本、洗浄時にはたわしを使用し洗剤は使いません。
縁の部分は温度が上がりにくく、焦げ付きやすいのでしっかり洗いましょう。
塩分も錆の原因となるのでしっかりと洗います。
⑥水気を取る
→鉄なべは基本とても錆びやすいものです。
水気は大敵なのでキッチンペーパーや雑巾で水気をとり、コンロが熱いままであればそのまま置いて乾かします。
⑦油を塗る
→育っていない鍋は空気中の水分で容易に錆びてしまいます。
キッチンペーパーなどで空焼きされた部分にしっかりと油をコーティングしましょう。
この工程は使っていくうちに次第に必要なくなっていきます。
普段使いの基本
普段の使用時には、加熱前に水洗いした後、④の油慣らしが
鍋を熱する(煙・湯気が出なくなるまで)→大匙2杯程の油を鍋肌全体に馴染ませ、余った油を捨てる(もしくはキッチンペーパーで油を鍋肌全体に塗る)→調理用に気持ち多めに油を入れ調理
に変わりまして、調理後は⑤⑥⑦と同じように行うだけ。
文字にすると大変そうですが、日々の作業自体は実際にやってみると、ものの数分でできてしまいますよ!
では、今回はこのあたりで!
('ω')ノ〈次回をお楽しみに!